自己制御型ヒータとは②/様々な呼び方について
トレースヒータ・トレーシングケーブル・テープヒータとの違い
化学プラントや食品工場、発電設備、LNG基地などで使用されるヒートトレースには、さまざまな呼び方があります。
「自己制御型ヒータ」 「トレースヒータ」 「トレーシングケーブル」 「ヒートトレースケーブル」 「ケーブルヒータ」
これらは現場やメーカーによって呼称が異なりますが、多くの場合は同じヒートトレースシステムを指しています。
本記事では、自己制御型ヒータの仕組みや特徴だけでなく、業界で使われるさまざまな呼び方や種類について解説します。
自己制御型ヒータとは
自己制御型ヒータとは、温度に応じて発熱量を自動的に変化させるヒートトレース用ヒータです。
内部の発熱体には導電性カーボンを含む特殊なポリマーが使用されており、温度が低いときには大きな熱量を発生し、温度が上昇すると発熱量を抑える仕組みになっています。
この自己制御機能により、
- 凍結防止
- 配管保温
- プロセス保温
など幅広い用途で利用されています。
自己制御型ヒータにはさまざまな呼び方がある
同じ製品でもメーカーやユーザーによって呼び方が異なります。
自己制御型ヒータ
最も一般的な名称です。
Raychem、nVentをはじめ、多くのメーカーで採用されています。
自己制御ヒータ
「型」を省略した表現です。
プラント業界ではこちらの呼称もよく使われます。
自己制御型ヒーター
機械設備業界や建築設備業界でよく見られる表現です。
自己制御型ヒータと同義です。
自己調整型ヒータ
英語の
Self-Regulating Heater
を日本語化した呼び方です。
基本的には自己制御型ヒータと同じ意味です。
トレースヒータ
プラント業界では非常に多く使われる呼称です。
配管やタンクに沿わせて敷設することから
「トレース(追従)」ヒータ
と呼ばれています。
トレーシングヒータ
英語の
Heat Tracing
から派生した呼称です。
ヒートトレース業界では一般的な言葉です。
ヒートトレースケーブル
近年増えている検索ワードです。
ヒータというより電熱ケーブルとして認識されているケースがあります。
トレーシングケーブル
メーカー資料や設計仕様書でよく使用される呼称です。
特にプラント設備関係では一般的です。
ヒーティングケーブル
海外メーカーで多く使われる表現です。
Heating Cableの直訳になります。
ケーブルヒータ
最も広義な呼称です。
- 自己制御型ヒータ
- 一定出力型ヒータ
- MIヒータ
などを含めた総称として使用されることがあります。
テープヒータ
自己制御型ヒータは平らな帯状形状のため、現場ではテープヒータと呼ばれる場合があります。
ただしシリコンラバーテープヒータなど別製品を指す場合もあるため、厳密には注意が必要です。
リボンヒータ
テープヒータと同様に、形状から呼ばれることがあります。
主に帯状のヒータ全般を指す場合に用いられます。
様々な呼び方がございますがいずれの表記の場合においても、自己制御ヒータのことを指しているケースが多いです。
自己制御型ヒータの種類
一口に自己制御型ヒータと言っても用途によって種類が異なります。
凍結防止用
主に
- 給水配管
- 消火配管
- ドレン配管
などで使用されます。
冬季の凍結防止が目的です。
低温保温用
20℃~65℃程度の温度維持用途です。
食品工場や一般製造設備で採用されます。
中温保温用
100℃前後までのプロセス保温に使用されます。
薬液や油類の粘度維持などが代表例です。
高温保温用
自己制御型ヒータの中でも高温対応品です。
高温保温が必要な化学プラントで使用されます。
防爆対応品
石油化学プラントやLNG設備では、防爆認証を取得した自己制御型ヒータが採用されます。
適切なアクセサリーと組み合わせることで、防爆エリアでも安全に使用できます。
代表的な自己制御型ヒータ
自己制御型ヒータにはさまざまなシリーズがあります。
代表的なものとして、
- BTV
- QTVR
- XTVR
- KTV
- HTV
などがあります。
それぞれ
- 維持温度
- 最大暴露温度
- 防爆対応
- 使用環境
が異なります。
ヒータ選定では性能表だけでなく、対象設備の条件を総合的に評価することが重要です。
自己制御型ヒータのメリット
オーバーヒートしにくい
温度上昇に伴い出力が低下するため、過熱リスクを抑えられます。
任意長さで切断できる
並列回路構造のため、現場で長さ調整が可能です。
施工が容易
複雑な配管レイアウトにも柔軟に対応できます。
重ね巻きが可能
バルブやフランジなど放熱量の大きな部分へ追加施工しやすい特徴があります。
自己制御型ヒータにも適材適所がある
自己制御型ヒータは万能ではありません。
以下のような用途では、
- 一定出力型ヒータ
- MIヒータ
が適する場合があります。
- 高温保温
- 超長距離配管
重要なのは製品名ではなく、用途や設備条件に合わせて最適なヒータを選定することです。
テクノカシワが考えるヒータ選定
ヒートトレースの性能はヒータそのものではなく、設計によって大きく左右されます。
- 配管サイズ
- 配管長さ
- 外気温
- 保温仕様
- 防爆要否
- 維持温度
などを考慮しながら、自己制御型ヒータ、一定出力型ヒータ、MIヒータの中から最適なシステムを提案することが重要です。
テクノカシワでは熱計算からヒータ選定、施工、保守まで一貫して対応し、お客様の設備に最適なヒートトレースシステムをご提案しています。
ヒートトレースの設計をご検討中の方へ
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