電気加熱と蒸気加熱はどちらが良いのか?
ヒートトレースの視点から両者を比較
プラントや工場では、配管の温度維持や凍結防止のために「蒸気加熱」と「電気加熱」の2つの方法が広く採用されています。
長年にわたり蒸気トレースが主流でしたが、近年は省エネルギーや保守性の観点から電気ヒートトレースを採用するケースが増えています。
では、両者にはどのような違いがあるのでしょうか。
蒸気加熱とは
蒸気加熱(蒸気トレース)は、ボイラで発生させた蒸気を配管を通じて熱源として利用する方式です。
大きな熱を供給できることが特長であり、化学プラントなどで長年使用されてきました。
一方で、
- ボイラ設備
- 蒸気配管
- スチームトラップ
- ドレン回収設備
など、多くの設備を必要とします。
電気加熱とは
電気ヒートトレースは、ヒータそのものが発熱し、配管へ直接熱を供給する方式です。
特に自己制御型ヒータは、
温度に応じて発熱量を自動的に調整するため、
- 凍結防止
- 温度保温
- 一般プロセス保温
で広く採用されています。
両者の最も大きな違い
最大の違いは、
熱を作る場所と使う場所が同じかどうか
です。
蒸気加熱は、
ボイラ
↓
蒸気配管
↓
使用場所
という流れになります。
一方、電気ヒートトレースは
電源
↓
ヒータ
↓
配管
と使用箇所で直接発熱します。
そのため電気ヒートトレースは熱輸送ロスを抑えやすいという特長があります。
蒸気加熱で発生する熱損失
蒸気加熱では、
燃焼ロス
蒸気配管ロス
ドレンロス
蒸気漏れ
など様々な損失が発生します。
資料内で紹介されている個別事例では、
蒸気配管ロスが25~30%程度発生している例も示されています。
もちろん設備条件によって異なりますが、蒸気は作ってから運ぶため、その過程で熱が失われることは避けられません。
保守負担の違い
蒸気加熱では、
ボイラ管理
スチームトラップ点検
蒸気漏れ対策
ドレン配管管理
が必要になります。
一方で電気ヒートトレースは、
ヒータと電源を中心とした比較的シンプルな構成で運用できます。
特に自己制御型ヒータは、
オーバーヒートしにくい
保守箇所が少ない
施工性が高い
という特長があり、設備管理負担の軽減につながります。
どちらが優れているのか
結論として、
一概にどちらが優れているとは言えません。
工場全体で大量の熱を使用する設備では蒸気加熱が適している場合もあります。
(生産過程で余剰な蒸気が発生するケースや、既に蒸気の用意があるケースもあります。)
一方、
配管の凍結防止
配管温度保持
更新工事
では、余剰な蒸気があっても電気ヒートトレースが有利となるケースが増えています。
重要なのは設備条件に応じて最適な方式を選択することです。
ヒートトレースのご相談はテクノカシワへ
テクノカシワでは、
自己制御型ヒータ
一定出力型ヒータ
MIヒータ
を含めたヒートトレースシステムの設計・提案を行っています。
配管条件や維持温度、設置環境をもとに最適なシステムをご提案いたします。
ヒートトレースの導入や更新をご検討中の際は、お気軽にお問い合わせください。